概要と沿革
諏訪神社は群馬県甘楽郡下仁田町にある神社である。創立は約400年前であると考えられている。
この神社では三柱の神(タケミナカタ、ヤサカトメ、ホムダワケ)が祭られており、古くは狩猟と農耕、武士の時代では軍神として、そして現在では産業・交通安全・縁結びの神として崇められている。
その豪華な社殿(神社の中心となる建物)は1837年(天保8年)から1846年(弘下3年)にかけて建設された。社殿を建設した矢澤善司昭方(1772-1841)は諏訪神社の源流といえる諏訪大社のある長野県諏訪市の出身であり、この社殿は彼が晩年に手掛けた、自身の代表作であるとされている。
正面から見た社殿
社殿の特徴
諏訪神社の社殿(神社の中心となる建物)には、様々な魅力がある。
1つ目は、他の神社では見ることのできない建築様式だ。通常、神社における社殿を構成する本殿と呼ばれる建物と幣殿と呼ばれる建物は、片側に長い大きな屋根と床で繋がっている。しかしながら、諏訪神社においてはその床が途切れており、屋根だけが建物につながった複雑な方法で設計されている。
側面から見た社殿
2つ目は、力強く奇抜な彫刻だ。社殿中央で目を引く柱と梁には、2匹の大きな竜が刻まれており、その力強く、精巧な加工からは大工の素晴らしい腕前がうかがうことができる。その他にも牡丹や桜などの植物の彫刻や、日本の逸話を模した獅子の親子の彫刻など様々な意匠が施されている。
柱に刻まれた大きな竜の彫刻
逸話を模した獅子の親子の彫刻
歴史ある祭り
諏訪神社では毎年10月中旬の2日間、秋の例大祭が開催されている。この祭りは1830年代から続く歴史ある勇壮な祭りで、町民に愛されている。
下仁田町を7つの地区に分け、それぞれの地区からの参加者は美しい笛の音色と和太鼓の力強い演奏(御囃子)を響かせながら、それぞれ素晴らしい意匠を凝らされた山車を率いて町内を回る。祭りの中で一番の見どころは、祭り1日目に見られる、諏訪神社の敷地に7つの地区が一堂に会して演奏を繰り広げる姿はまさに大迫力で、見るものを魅了するだろう。
7つの山車が一堂に会する様子
- 所在地
- 〒370-2601 群馬県甘楽郡下仁田町下仁田319